朝、公園に犬の散歩に行くと少し人通りが少ない緑が多い道のベンチによく老人が座っている。がりがりというほどではないけれど瘦せ型で坊主頭、日に焼けた肌にいつも白いシャツを着ている。公園には暇だし他に行くところもないから公園のベンチに座ってのんびりしている風の人が多いが、この老人は暇を持て余している風ではなく瞑想をしているように見える。彼を見るといつも私はガンジーを思い出すので勝手に和ガンジーと呼んでいる。
先日公園を散歩していたら雨が降り始めた。と思っていたらいきなりゲリラ豪雨並みの激しさで降り始めたので慌てて大きな木の下で雨宿りをすることにした。ふと見ると、少し離れた場所であの老人がベンチに傘をさして座っていた。傘を指していてもずぶぬれのはずなのに大雨など降っていないかのように微動だにせず座っている。
そして今日は数日ぶりに雨もない夏びより。公園に散歩に行くとあの老人がベンチに座っていた。ひなたは蒸し暑いけれど木陰は風も通って涼しいから先日のような大変さはないだろう。それでもずっと座っていると蚊に刺されたりしているのではないかと思う。私は虫よけスプレーをしていても蚊にかまれるので蚊が止まらないように足や腕をバタバタ動かしている。しかし和ガンジーは静かに座っている。
実はこの老人、冬にも見かけてことがある。やはりあのベンチに座って瞑想をしていた。確か真っ赤なジャンパーを着ていてそれが意外だけれどお茶目でおしゃれだなと思った記憶がある。
和ガンジーを見るとしゅっと背筋を伸ばしたい気持ちになる。