子供の頃、子供が茗荷を食べると馬鹿になると親に言われていて茗荷を食べたことが無かった。
馬鹿にならなかったとしても子供だったわたしには茗荷や青じそ、山椒といった薬味はくせがあって苦手だったのでむしろ無いほうが良かった。
しかし子供の頃はそうめんつゆに刻んだ青じそを入れようとする母親に入れないでと頼んでいたくらいだが、大人になると子供の頃とは味覚が変わって薬味が無いとなんだか味気ない気がしてしまう。
とはいえ薬味を食べるのはお店で出された料理に使われているときだけ。家で料理するときはほとんど薬味を買うことは無かったし、過去に何回か買ったことはあるけれど買って満足、実際には刻んで入れるのは面倒ということで結局ダメにしてしまっていた。
この夏はリタイアして時間の余裕が出来ると思うと心にも余裕が出来て、久しぶりに茗荷を買ってみた。
いつものようにシンプルごはんなので、作り方はいたって簡単。たたききゅうりに茗荷を足すだけ。
きゅうりは青臭さはヘタの部分を切り落として切った部分のこすり合わせると白い泡みたいなアクがでるのでそれを洗い落とすようにしたら少し薄れる気がする。
叩ききゅうりの美味しさの秘訣はきゅうりは包丁で切るのではなく、包丁の柄を使って叩き割ること。
包丁で切るよりこっちのほうが断面積が大きいからか断然美味しい。
タッパーに叩き割って手で適当な大きさにぽきぽき折ったきゅうりを入れて、
あら塩を適量振ったらあとは刻んだ茗荷を入れて冷蔵庫で冷やすだけ。
塩昆布で作ってもよさそう。
シンプルだけど茗荷が良い仕事をしてくれて美味しく出来上がるので、きゅうり2本をあっという間に食べてしまう。
ヘルシーで罪悪感を感じないで済む一品の出来上がり。
お味噌汁にも茗荷を入れると上品な懐石料理店のお味噌汁の気分が味わえる。
茗荷を食べて楽しむこともうれしいけれど、茗荷を楽しめる心の余裕が出来たことがもっとうれしい。